西宮市・芦屋市・尼崎市梅華会耳鼻咽喉科グループのダニアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法専門サイト

梅華会耳鼻咽喉科グループ 理事長 梅岡 比俊 写真

梅華会グループ理事長の梅岡と申します。
兵庫県西宮市・芦屋市・尼崎市・神戸市を中心に地域の皆様へ耳鼻咽喉科疾患・小児科疾患の治療に取り組み、日本の将来を明るく元気にするために日々精進しております。
開業以来多くの患者さんからご信頼をいただき、毎日が忙しい中で充実した毎日を過ごさせていただいております。 ただただクリニックとしてのみならず、人間としてもっと成長して、人の根源的欲求である社会への貢献を広く、深くしていきたいと思い、日々私はチームメンバーと共に切磋琢磨してきたつもりでございます。

最近、耳鼻咽喉科医師として日々外来患者さんを診ていて、 耳鼻咽喉科の病気の罹患率の変遷を感じています。

医学及び付随する医療技術の発達の反面、一億総うつとも言われるストレス社会から来る耳鼻咽喉科領域への影響をおおまかに列挙いたしますと

  • 抗生物質の開発による、急性中耳炎・副鼻腔炎の重症化の減少
  • ファイバー技術の向上による喉頭がんなどの早期発見および早期治療
  • ストレス社会におけるめまい・難聴患者の急増
  • スギ花粉を初めとするアレルギー疾患の増加

そうした中でも、耳鼻科の病気でも特に懸念されている疾患のひとつに「スギ花粉症」が挙げられるかと思います。四季折々をなす日本の季節の中で花粉症の影響で、春のイメージが損なわれてきていることを感じずにはいられません。

春は桜が咲き、これから温かくなり、木の芽が芽吹く時期であり、本来であれば意気高揚となるシーズンでありますが、同時に憂鬱になる季節のイメージがあるのであれば至極残念に思わずにはいられません。

特にスギ花粉アレルギーに罹患される患者さんは年々増加していることを肌で感じています。

スギ花粉イラスト

年々春先に花粉症でお悩みの患者さんで、当院を受診する方が増えてきているのです。また従来は花粉症として認知されていなかった潜在的な患者さんも相当数いらっしゃったと思われます。 スギ花粉症の人はここ10年で1.5倍に増加しているともいわれます。つまり1998年には約2000万人と言われていたのが2008年には約3000万人つまり、現在は4人に1人がスギ花粉症になっているということです。
テレビのニュースなどでは毎年のように「今年は例年以上にスギ花粉の飛散量が増えそうです・・・」と報道されるのを耳にします。スギ花粉が多く飛散すると、それだけ花粉症を新たに発症する可能性も増加します。また、若い方だけでなく、中高年の方でもはじめて発症することがあります。

よく外来でも尋ねられるのですが、ある日突然に花粉症が発症することが往々にしてあります。
「私は今まで花粉症になったことがないからこれからも大丈夫」とはいえないのです。
実際、大量飛散した2005年と2004年を比べると、40代~70代と2005年の方が花粉症の人の割合が増えていることがデータから明らかになってります。花粉症は年齢に関係な くいつ発症するか分からない病気ということです。ですから、少しでもおかしいと思ったら早めにきちんと診察、診療、治療を受ける必要があります。

個人的には、花粉症対策を講じていらっしゃるかたは多数いらっしゃるでしょう。特別なマスク、目薬、鼻水止め、花粉ブロック、あるいはコラーゲン・ローヤルゼリー・プロポリスといった健康食品からヨーグルト・いちじく・緑茶・甜茶などいろいろ巷間に出ていますが、エビデンスが不明確なため、一概に全員に効果があるとはいえないのが現状です。

今や花粉症は「国民病」であり、戦後、全国各地にスギが植林され以来60年を経て、莫大なスギ材が伐採適齢期に育ち、今、日本列島全土をスギ林が覆いつくしている状況です。

スギの森 写真

もともとスギは日本特産の針葉樹で、日本の建造物や工芸品に多く使われ、昔から私たち日本人の生活や文化を支えてきました。そして、戦後、高度経済成長期に国の政策により各地の山地に大量のスギが植えられました。

しかし、植林されたスギが育ち、ようやく伐採時期を迎える頃には海外から安価な木材の輸入が勢いを増し、結果、人工的に植えられてきたスギの需要が減少。現在、日本の人工林面積はすべての森林面積の約40%を占めており、そのうち大半がスギの人工林面積であると言われています。

しかし、それならばスギを大量に伐採すればいいじゃないかというご意見もあるかと思いますが、森林には自然の恵みとしてのとても大事な役割があります。地球温暖化防止の為、世界各国が二酸化炭素の排出量を減らし、温室効果ガスの削減を目指そうという計画がありますが、森林は空気中の二酸化炭素を取り込んで酸素を供給してくれます。その中でも特にスギは、数ある樹林の中でも多く二酸化炭素を吸収してくれると言われています。
そう考えるとうまく共存できる環境にも配慮しながら、現実的にいかに花粉によるアレルギー症状を抑えるかが喫緊の課題であると考えます。

当院でも春のシーズン中は一つのクリニックに一日200人近くが来院され、治療を受けておられます。

花粉症の女性イラスト

患者さんによって訴えはさまざまですが、とっても不快な症状であることに変わりがなく、外にでることすら億劫になってしまいたい気持ち、心中お察しいたします。
鼻が詰まって夜寝れない
くしゃみばっかりして勉強・仕事していても集中力にかける
目や耳の中までかゆくなりつい無意識にかいてしまう
肌もカサカサしてかゆくて憂鬱・・・
夜になるとせきがひどくなって寝れない
また、昔は「子供は花粉症にかからない」と言われていたものですが、今では2歳くらいのお子さんでも毎朝起きたらくしゃみ連発、鼻づまりでいびきをしていたりして、本当につらい日々を送っているケースも拝見いたします。

花粉症は、もちろん生命にかかわる疾患ではありませんが日常の生活の質を下げ得る重大な問題です。 当院では従来より、花粉症の増大を察知し、患者さんに合わせた治療を心掛けて、治療の選択の幅を増やしてきました。

  • 日常生活の予防・指導
  • 薬物療法(漢方による治療を含む)
  • レーザー治療による手術療法
  • 処置・吸入療法による症状の緩和

ただいずれもが完治に結びつく治療法ではなく、治療を中断するとまた症状が再発することが悩みでした。

舌下免疫療法が他の治療法と根本的に異なるのは、アレルギー体質そのものを完治させ得る治療法であるということです。

従来の薬物療法であったり、レーザーによる手術療法の場合はいわゆる対症療法と言いまして、あくまで「症状を緩和する」ことであり、完治させる治療ではありません。 しかしながら舌下免疫療法は、アレルギーの源となるスギ花粉エキスである“抗原”を体内に微量から吸収させて、“抗原”を身体に馴染ませて、アレルギー症状をでないようにするために開発されました。

たとえ話で恐縮ですが、私は子供のときトマトが嫌いな食べ物でして、サンドイッチにはさんであるトマトもわざわざ抜いて食べていましたし、トマトジュースも酸味がどうしても苦手でした。当時好き嫌いをなくそうと努めていた両親は、僕の好きなカレーライスにすこしずつトマトをいれ、慣れさせようとしました。最初から大量のトマトをいれると僕にばれますので、すこしずつ量を増やしていくのです。そうすることで僕も今ではトマト食べれるようになり好き嫌いがなくなりまして、両親には本当に感謝しています。スギ花粉抗原の接種も同じようなものだと考えていただければと思います。

一気に大量に摂取すると逆にアレルギー症状が強くでますので、少量から始めていくことがポイントになるでしょう。

そこで、舌下免疫療法における重要なこだわりとは
「少量から始めて少しずつ量を増やすので治療期間を要する」
ことになります。

期間は実質2年~3年になるとお考えください。
「そんなに長い間治療を続けるのが面倒」だとお感じのかたが多いかと思います。
詳しい治療法は別記ご参照いただくこととしまして、簡単に申し上げますと 舌にスギ花粉エキスの錠剤を含むだけ



なんです。そのエキスを医師の量のもと、調整して治療を継続していく形となり、頻繁にクリニックに通院する必要はありません。

自宅での治療が可能


であることが今回の舌下免疫療法のひとつのポイントではないかと思います。

実は免疫療法というのは以前から治療法として存在していました。いわゆる「減感作療法」といいまして、スギ花粉エキスを注射するのです。もっとも自宅では注射できませんのでクリニックに通うことになります。週に2~3回通院の通院を2~3年続けることが目安となります。効果は期待できるのですが、副作用も問題となり、実際汎用されるには至っておりません。

毎日通院して花粉症を通院する時代から、
自宅で気軽に治療できるようになった





とお考えいただければと思います。 ただし何度も申し上げますように治療期間はどうしてもかかりますのでご理解いただければと存じます。

スギ花粉の患者さんは増える一方であり、日本に住んで居る限り北海道の一部および沖縄以外は花粉暴露は避けられない状況です。
従来の治療法で満足されている方であっても、根本的に解決する治療法というのは一考に値する治療法ではないかと思っています。

是非当院のHPを参考にしていただき、しっかりとしたスギ花粉症に対する知識を得ていただき、毎年“憂鬱な春”を迎えることがないよう、万全を期したいものだと思います。
そうした一助となることを強く願っております。

日本の季節の移ろい目いっぱい感じるためにも、私たちはスギ花粉症に立ち向かい、皆さまの日々の生活の質の向上に少しでも寄与できるよう、精進し続けることを誓います。

ここまでの長文をお読みいだだきどうもありがとうございました。

梅華会グループ 理事長 梅岡 比俊
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